天正18年(1580)3月に小田原城を包囲した豊臣秀吉は,初め本陣を湯本早雲寺に置いたが,4月に入ると,小田原市街の西方に聳える笠懸山に築城を開始した。
昼夜を分かたぬ突貫工事によって,およそ80日後の6月26日に完成した。
とはいっても『関八州古戦禄』によると,小田原城に面した壁や塀は白紙を貼って白壁のように見せかけたという。
その夜の内に秀吉はそれまで城の前面を覆っていた樹木を切り倒して夜明けを待った。
翌朝,小田原城内では,一夜のうちに西方の山頂に忽然と現れた巨城を見上げ,「あれは夢か幻か」と恐れおののいたという。一夜城という名はそこから生まれた。
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